新台入替はいつから期待できなくなったのか
天龍、RIZINMAN、カツ丼と
最近のアナログパチンコ台の影響で
来月のダイナマイトキングや綱取物語の新装は
「絶対にいく!」という知人の言葉を聞いたときに思いました。
「パチンコの新台入替に行きたい!」
なんてセリフ聞いたのいつ以来だろう、と。
最初に名前の出た3機種は
店舗任意での赤字調整、傾斜含めた調整ミス、メーカーの出玉設計(想定)ミスと理由は様々ではありますが、
「出玉」という期待をもってユーザーが新装に行きたくなるというのは
何とも懐かしい気分となりました。
新台入替に期待できなくなった理由
その昔。私は当時を知りませんが
30年前なんかは「新台入替」はお店のお祭りであったと聞いています。
お店は半年に一回の「新台入替」。
ここぞとばかりにお客様に還元して優良店をアピールするということです。
私が初めて勤めた法人では、その当時は年二回の新台入替に3日間で毎回2000万円の赤字を出していたと聞きました。
ちなみに私がユーザーとして「新台入替」に初めて参加したのは
20年前の大阪アメリカ村にあった某ホール。(今も活躍中です。)
ビンビンカミサマの新台入替初日でした。
この時もまだホール入場は「並び順」の台取りは「早い順」です。
開店と同時にほぼ全員が新台ビンカミにダッシュ!
取り合い揉み合いになっている中で
一人のお兄さんが床に倒れ、台の椅子にしがみつきながら
「この台おれのや!おれのやからなっ!!」と
叫んでいたのは今でも忘れられない光景です。
このころぐらいまでは新台入替がお店の一大イベントであったと思います。
ユーザーさんがお店に居着くってのもこれぐらいまでだったように思います。
現在のようにすぐに「情報」を仕入れることができて
「より以上に出す」お店を見つけるのも見抜くのも容易ではなかったことが理由の一つだと思うのですが。
いまでいう所の「グランドオープン」。
ネット文化がなければ「いつ、どこで」開店するのかなんて
なかなかわからないですよね。
なので他店に流れようがないってのも理由の一つだと思いますが。
それから数年が経過してからは「新台入替」は毎月行われるものとなり
お店の扱いの変化と共にユーザーも毎月起きる新台入替は「(他人より)早く新台を打つため」のものと緩やかに偏移していったように思います。
それでも年に数作のビッグタイトルの導入で1機種70~80台規模の入替時には
どうしてもお客様に付いてもらう為に、赤字覚悟の調整は施していたかと思います。
そうしていく中で上記のビッグタイトルと言われるものが「大コケ」を記録していきます。
パッと思いだすだけですが、海カリブ、ウルトラマン、エヴァ福音などなど。
大手主要メーカーのメインタイトルと言える機種の稼動がふるわず、
「機械代の回収がままならない」ホールが続出。
このころから新台入替の潮目がまた一段と変わったように思います。
そんな中で低レートの登場とシェア拡大などもあり
「新台を1パチに入れたらめっちゃ抜ける」
というようなスタイルまで確立されてしまいました。
ホールから見ると、
「機械代も高騰しているし、先ずは機械代の回収が先だ!」という前提で営業して
それでもシェアを取り、稼動を維持している機種を「主軸機種」(海・ジャグラーを始め牙狼シリーズ・バジ絆などに代表されるヒット機)として
回収先 = 新台
還元先 = 主軸機種
というのが一つのオーソドックスな営業スタイルとなってきている昨今です。
ユーザーさん感情として
新台で好きなだけ回収しやがってボッタクリホールが!
どうせイベントもボッタくるんでしょ!
パチンコ面白くない。もうちょっと遊ばせてくれるだけで良いのに!
普通で良いのに。普通の調整台打たせてよ。
利益取るためならなんで新台買うんだよ!入れずに玉を出してよ!
そこも分かってるホールの言い分としては
新台入れなきゃ隣のホールが入れるんですよ。
しかもけっこうそっちにお客様流れちゃって売上減っちゃうんですよ。
あと新台購入費回収できないと他の還元してる主軸機種にしわ寄せがいって
せっかく居ついてくれている常連様すら離れちゃうんですよ。
今の機械購入費って「遊ばせる」レベルで調整すると全然回収できないんですよ。
お客様。甘めに使ったらうちのお店に通ってくれますか?(泣)
こんな感じの様相になってると思います。
最近はかなりの優良ホールでも新台を甘くつかっているホールはあまり見られなくなってきているのは上記のようなところが原因だと思うのですが。
それでも新台を入れ続けるホール。
抱き合わせ買ってまでなんて
ユーザー感情からすれば「狂気」に見えるでしょう。
いまや「新台」って一体だれのために存在するんでしょうか。