ピコジのヒマパチンカーZ

パチンコ業界に色々思うところのある、とあるホールのエリアマネージャー。1人でもいいからユーザーや関係者としてパチンコ業界に行きたいと思える、イベント新台レポ・パチ業界おもしろ裏話なんかを本音でお伝えします。ホール・メーカー関係者の方が興味でることも言っていきたいです。

初めてアルバイトしたパチンコ屋でメンタルを鍛えられた話

さかのぼること18年前。

スロットが好きでパチンコが好きで

打ちに行くお金が必要で。

そういう理由で働きだしたのがパチンコ屋。

勝手がわかっているつもりでしたし

当時の時給は今より高いところもありました。

時給1300円で土日は200円アップみたいな感じで。

かなりガラは悪かったですけどね。

 

ガラが悪いっていうのは

お客様だけでなくて店員"も"です。

もちろん上司にあたる社員さんも!

パンチの方がいっぱいいました。

初めて働いたパチンコ屋ではパンチさんが1号2号3号と揃ってましたからね。

そんなパチンコ屋で働いていた時の体験談。

 

勤務2日目に衝撃事件

上に書いたパンチ3兄弟さんはかなり良い人達でした。

インパクト絶大なお三方を差し置いて

事件をおこしたのが住み込みヒラ社員の見た目完全にヤンキーのKさん。

Kさんはご夫婦で住み込みで働いてました。

私の勤務2日目だった日は、そのお店では給料日。

そんな皆んなが浮かれ上がってる日に事件は起きました。

 

なんと、、

ヤンキーKが自分と奥さんの給料持って逃げたんです。

奥さんほっぽって。

 

勤務2日目からただならぬ空気と緊張の中で働きました。

まじでどうして良いかわかりませんでした。

まぁこれだけならそんなメンタル鍛えられるってほどではないんですが。

 

もう一人いたんですね。

すごい人が。

オールバック班長のSさん。

 

このSさんがほんとにむちゃくちゃでした。

とりあえず朝礼には何か鈍器を持ってくるんですね。

スパナとかレンチとか。

で気にいらなかったら投げる!

一個投げたはずなのに

ケツポケットからもう一個出てきて

また投げる!

いまだったら即座に

オー人事オー人事の022-022案件です。

 

しかもね。大阪のお店だったのに、その人は東京出身で標準語なんですよ。

「てめぇふざけてんじゃねぇぞっ!!」

っていう言葉が

当時まだ幼い私には

「おまえなめとったらあかんぞっ!!」

よりも恐怖が倍増されました。

 

そんな班長のもと何がそうさせたかはわかりませんが、私は今で言うところの「社畜根性」を開花させてしまいまして、、

だいたいの人が3日ともたず辞めていく職場なんですが、なぜか続けられたんですよね。

 

まぁ日常は悲惨なものでしたが。

オールバック班長は基本的に「玉場」と呼ばれるところ(店の玉が集められて研磨したり、玉を店内にバランス良く循環させるための場所)を住処としていて、ライトやテーブルを持ち込んで自分の部屋みたいにしてました。

 

たまにそこに呼び出され

ある日は胸ぐら掴まれながら怒られて制服のボタンが吹っ飛んでいったり。

またある日は気合が入ってないと髪型をお揃いのオールバックにさせられたり。

ひどい時はほんとに殴られたりしてました。張り手ですが。

 

そんなこんなありながらもそんな職場環境にも慣れてきたある日、忘れられない事件が起きました。

事件の主役はバイトの後輩のMくん。

私と一緒でその職場には似つかわしくない

いたって普通の優しい男の子でした。

 

私はその日フリーと言ってホール全体をさまよいながら、忙しいところにヘルプに行ったりする持ち場。

ふとMくんのコースを見ると

お客様のおっさんが大当りもしてない台から玉が出続けてるのを必死に箱変えながら自分の物にしている光景。

一瞬意味がわからずコースの端っこで立ってると、コース内のMくんはその光景に気づいて顔面蒼白に。

そのお客様のところに行って何か交渉をしています。

どうやら

「この玉はやるから今日は帰ってくれ」

みたいな感じで言ってます。

 

その瞬間、私もピーンときました。 

「こいつ、すげえ優男な雰囲気持ってて気をゆるしてたけど、自分のミスを揉み消そうとしてやがる。なんちゅう悪党だ。でも気持ちはわかる。」

 

当時のとある権利物の台なのですが

この台が今でいうところの「玉抜き機能」をかけると台の下皿から出てくる造り。

誤って玉抜きをかけると台の下皿から延々玉が

出てくる仕様です。

おそらくMくんは何かの処理をした拍子に玉抜きをかけてしまったんでしょう。

 

止めようかどうしようか迷っていると

隣にただならぬ気配が、、、

 

夜叉のような形相でMくんを睨みつける班長。

魔闘気をまといながらコースに入っていくなり

Mくんの襟首をつかんで玉場まで引きずって行きました。

 

私がMくんを見たのはそれが最後です。

ほんとに最後の姿です。

仕事終わりの終礼時には従業員が一人減っているのに何の説明もありませんでしたし、ロッカーはすでに綺麗に空となっていました。

 

人が一人消えても何も言いだせない空気。

一つのミスで奈落(玉場)へと引きずりこまれていく環境。

 

もっと過酷な職場はもちろんあるとは思うのですが、私はここで働いたことによって後に働くパチンコ店で怒られたりしてもほんとに普通に我慢できました。

「若い時の苦労は買ってでもせよ」

なんか違う気もしますが、あそこで働いてて良かったなと思うことは何度もありました。